「生理前に下腹部がぽっこりして張る」で分かる健康状態

以前に書いたこちらのブログ(↓)ですが、

ぽっこりでたお腹を直接的にその場で引っ込めるのは、かなり魅力的で飛びつきたくなりますが、体の中のことを考えるのはもっと大事です。

なぜなら、「体の歪み」でお腹が出てしまうのももちろんあるのですが、それだけではないからです。

体の内側のこと(健康状態)は、体の外側に表れるからです。

つまり、「生理前に下腹部がぽっこりする」というのは、健康状態とも関連があるのです。

健康は美しさに直結しますから、体の中についての話は外せません。

肉体的なものから精神的なものまで、いろいろあるPMSの症状

生理前に下腹部が張るのは、PMS(月経前症候群)の代表的な症状の一つですよね。

他には、

むくみがひどくなる

過食になる

甘いものが無性にほしくなる

イライラしやすい

気分が落ち込みやすい

など、この他にもまだまだあります。

PMSには含まれていませんが、生理前にニキビができやすくなることもありますよね。

ちなみにここにあげたのは、私が実際に抱えていたPMSの症状で、「イライラしやすい」と書きましたが、実際には「すぐキレる」ほどで、死にたくなるほど気分が落ち込むこともありました。

痛みがあれば薬で対処できるのですが、イライラや食欲増加に対してはどうすることもできないので、かなり厄介でした。

肉体的な症状も、体の内側の状態を反映してます

さて、ここからは「下腹部が張る」に限定してお話します。

中医学では、体に現れた症状に対して、「なぜそれが起きるのか?」と、その根本原因を考えます。

PMSは一旦置いておいて、「張る」という症状に着目するのです

「張る」というのは、結果を先に言うと「気滞」という状態です。

止まることなくスムーズに体内を流れている「気」が「滞っている」状態です。

呼吸によって吸ったり吐いたりするのも「気」ですが、「気」は空気のように目には見えません。

気は経絡の中や血管内、その外側にも巡っているのですが、その流れが滞るとそこの部分が風船のように膨らみます。

これが「張る」という症状です。

まさに、風船の中にパンパンに空気が入っているような状態です。

だからその部分を圧迫すると、痛み苦しさを感じます。

感情も体の内側の状態を表す

これと連動して起きる症状が、イライラや気分の落ち込みです。

気をスムーズに流しているのは「肝」の働きによるものですが、それは「肝」の特性である「滑らかさ(疏泄)」によって行われています。

疏泄機能は感情にも関係が深くて、正常であれば気分は明るく前向きですが、低下すると感情に変化が起こりやすくなります。

その変化は「抑うつ」と「興奮」の2つに分けられます。

気が滞ると抑うつ状態に、興奮しすぎるとイライラしやすくなり、怒りっぽくなります。

感情はこの2つ以外にも、「喜び」や「悲しい」などありますが、「抑うつ」と「怒りっぽい」という感情は、肝がうまく働けなくなっていることを表す感情なのです。

「生理前に下腹部が張る」というのは、気の流れが悪くなっているからで、それは「肝」の働きが低下しているから。

これに連動して、イライラや怒りっぽさ、気分の落ち込み、という感情もPMSの症状として現れるわけです。

「心と体はつながっている」と言われるように、感情と肉体は、やっぱり連動しているのですね。

私の場合は、生理前は両方の感情が入り混じっていましたから、体の中でも気の流れが乱れまくっていたのでしょうね。

ということは、肝の疏泄機能を高めれば下腹部の張りや、イライラなどのPMSの症状も落ち着くわけです。

ですが、これだけだとまだ根本的な解決にはなっていないです。

そもそも、なぜ肝の働きが低下したのか?

がわかららないと、対処できませんものね。

ストレスは肝の働きを低下させます

「生理前に下腹部が張ってぽっこりしてくる」=「気滞の状態」なのは、原因ははっきりしていて、それは「ストレス」です。

気の流れがスムーズに流れている状態だと、気分が明るく前向き、と書きましたが、

逆に気の流れが悪くなると、気分も逆になる、ということなのです。

私の場合、PMSを自覚していた頃は、日常的にかなりのストレスを感じていました。

ブログに取り上げたお客様の場合は、ブライダルを控えていて、新しく家族になる方々とのご挨拶などもあり、「緊張状態が続いていた」とおっしゃっていました。

つまり日常的に、ストレスによって肝の働き(気をスムーズに流す)が低下している状態だったのですね。

それが生理前など体が不安定になると、肝もさらにまた不安定になって制御できなくなってしまうのです。

「下腹部の張り」と「感情の変化」が同じ原因だったことが分かったついでに、「食欲の変化」についても取り上げたいと思います。

「肝」と「脾(胃腸)」は「相克関係」にあります。

正常(健康)ならば、全てがうまく連携して協調している状態ですが、肝が不調になった場合は、脾を攻撃するような関係になってしまうのです。

だから、ストレス(肝の不調)によって胃の調子が悪くなります。

脾(胃腸)は、食べたものを消化吸収する器官ですから、脾がやられると食欲のコントロールが効かなくなったり、やたらと甘いものやこってりしたものが食べたくなったりします。

生理前後で便秘になったり、ゆるくなったり、お通じが乱れることもありますが、これも脾の働きが弱くなっていることが多くて、

その背後には、「ストレスによって肝が不調になっているから」というケースがあり、正に私はぴったり当てはまっていました。

脾は水分代謝にも関わっているので、脾が不調だとむくみやすくなりますし、

肝によって気の流れが悪くなると、水分(津液)や血液の流れも悪くなりますから、どっちにしても体がむくみやすくなります。

体の外側だけ見ると、「お腹が出てイヤだ!」と思ってしまうものも、目線を体の内側にずらすと、自分の体を慈しみたくなりますよね。