ニキビとは無縁な日々を目指して
この夏、母はニュース番組を観て、テレビに向かって珍しく怒っていました。
「夏は怒ってはいけない」
これは中医学の夏の養生法です。
季節に関係なく、怒りまくっているのは自分にもまわりにもよろしくないのですが、とくに夏は体への影響が強くなるので気をつけましょう、ということです。
なぜなら、夏は陽気が一番旺盛になります。
「陽気」というのは「暑さ」とも言え、「火」や「熱」でもあります。
怒った時を想像してみてください。
頭に血が上り、カーっとして顔が赤くなる。
メラメラと、怒りの炎が燃え上がる。
そんなイメージが浮かびます。
つまり「怒り」も熱を生むわけです。
夏は陽気が一番旺盛なので、それに「怒り」が加わると、陽気(熱)が過剰になって体を傷つけてしまうのです。
ですから、「夏は常に楽しい心情を保ち、怒気を起こさず、ゆったりとした状態で過ごすこと」と記されています。
余分な熱は心身を傷つける
「怒り」は体内で熱を生みますが、それは余分な熱です。
余分な熱は心身を傷つける熱、つまり中医学用語で言う「熱邪」で、体の健康を保つための熱ではありません。
いらないものですし、健康が損なわれてしまうので、なんとか外へ出そうとします。
その体に現れる症状の一つが、炎症性のニキビです。
赤く腫れ、触ると痛い「赤ニキビ」です。
これに熱邪以外の老廃物も加わると、膿がたまった黄ニキビになります。
なので、炎症性のニキビは夏にできやすく、悪化もしやすいです。
ところが、季節に関係なく「怒り」は日常的に出てくる感情です。
ですから、怒気を溜め込んでいると、一年中炎症性のニキビが出来ることになります。
感情は、あまりニキビと関係なさそうに思えますし、直接肌に何かするわけでもなく、
だから除外されやすくて、どうしても結果を求めてスキンケアばかりに目が向いてしまいます。
ですが、心と体は連動していますし、せっかくなら心の中も健康的になりたいものです。
怒りを爆発させない体づくり
じゃあ怒りを抑えればいいのか?
怒らないようにすればいいのか?
これは主観ですが、例えば、眠たいのに眠気を感じないようにすることができないのと同じくらい、怒りを抑えたり、感じないようにするのはかなり難しいと思うのです。
物の捉え方次第で怒りがわいてこなくなることもありますが、そんなことができるなら、そもそも怒りっぽくもならないと思うのです。
そしてこれも経験済みですが、無理に抑えていると爆発する時が必ずやって来ます。
私は仕事のストレスからいつもイライラしていましたが、職場では当然怒りは抑えます。
これがあるとき、家で爆発するのです。
家ではいつも機嫌が悪く、ふとしたことで爆発して母に八つ当たりをしてしまうのです。
今思い出しても胸が痛くなります。
何度も激しく後悔し、改心しようと心に決めても、時がたつとまたやってしまう。
こういうタイプの怒りの爆発は、自分では止められないのです。
怒りをぶちまけても、我慢しても、どちらにしても誰にとっても良いことはない。
心と体はお互いに影響しあう関係ですから、感情をうまく処理するには体や肌から入っていく、という方法もあります。
「ニキビが出来なくなる」よりも最高なこと
一番いいのは、ニキビに悩まされることがなくなること。
前回のブログでご案内したシーズントリートメントは、
カッサを使って肌に蓄積した老廃物を流して排出を促します。
ニキビの発生原因となる老廃物や治った後の色素沈着に対しては有用的なものの、残念ながら炎症したニキビがある場合には行えません。
ですが、体内に溜まった熱邪は食べ物でデトックスできます。
この方法だと皮膚から熱邪を排出せずに済みます。
そもそも老廃物は排泄によって出されますが、熱邪も同じようにして体内の熱邪を出すことができます。
するとニキビは減少傾向に、イライラや怒りっぽさも静まってきます。
ちなみに、熱を生む感情は「怒気」だけではなく、「落ち込む」や「思い悩む」などの鬱々とした感情も熱を生みます。
「ニキビに悩まされることがなくなる」ということは、
- ニキビが出来なくなる
- ニキビに対してネガティブな気持ちにならなくなる
という2つの意味があります。
「ニキビが出来なくなる」だけだと、もしまた出来てしまったときに落ち込んだり不安になったりしてしまうかも。
または、出来ないようにと、ニキビが出来た時のことを考えて、結局は不安な心持のままかもしれません。
今までイライラしたりニキビの事を考えていたことが反転して、
最終的にはニキビのことを考えなくてもいい毎日を送ることができて、
万が一出来ても安心していられる心持ちが最高だと思うのです。
その根底には自分の肌への自信や信頼があります。
それには、肌には再生能力があるという事実や、体には自然治癒力があるということを知っていても、このことが自分にも当てはまっていると思えなければ自信にはつながりません。
「腑に落ちる」という言葉がありますが、そのためには体験するのが一番です。
自分の体(腑)が出した答えですから、確信が持てます。