夏の睡眠不足でも元気でいられる理由

夜中の3時に目が覚めてしまいした。

完全に目が覚めてしまったので、そのまま起きて考え事などをしていました。

最初は、日中眠くなってしまったり、ぐったり疲れたりするかな…と思って、多少無理してでも寝ようと目をつぶったのですが、思い直してそのまま起きていました。

夜中の心配をよそに翌日は元気に過ごせ、夜はさすがに強烈な眠気が襲って、久しぶりに朝までぐっすり眠れました。

お客様の中には「眠れなくて困っている。何とか寝ようとしても眠れない」と切実におっしゃる方もいます。

確かに体にとっては、夜はしっかり寝たほうが良いです。

サーカディアンリズム(体内時計)によって、夜は細胞の修復や疲労回復が行われるからです。

でもちょっと待って。

夏は睡眠が乱れやすいのは当たり前

夏は季節柄、睡眠が乱れやすいです。

暑くて寝苦しいのもありますし、日が昇るのも早いから目覚めるのも早くなります。

人の体の機能上、「暑さ」で睡眠が乱れやすくなるのは当然のことで、正常な反応です。

だから異常でもないし、「悪いこと」でもないのです。

これを中医学の観点から見ると、夏は「陽気」が最も盛んになる季節で、五臓では「心(心臓のことで『しん』と読みます)」が旺盛になります。

その「心」は、精神や思考、意識の分野をつかさどっていて、「心」の働きが低下すると不眠などの睡眠障害を引き起こします。

夜はしっかり寝たほうが体にとって良いのは間違いないですし、寝ないと「陰」が充足されず相対的に「陽」が多くなって、さらに睡眠が乱れます。

ですが、あまりにも気にし過ぎじゃないでしょうか?

世に出回る情報に合わせ過ぎな現代人

夜中に目が覚めてしまったり、なかなか眠れなかったりだと、「寝なきゃ体に障るし、次の日がつらくなる」などと考えます。

このときというのは、不安になったり心配したりしている状況です。

この状況は、一歩引いて見てみると、事態を悪化させていることに気づきます。

「寝なきゃ」と考えていることがストレスになっている。

「寝なきゃ体に障る」と心配している状況がすでに体に障っている。

不安になったり心配している精神状態は、意識の分野をつかさどる「心」の働きを低下させてしまいます。

「心」は明晰な思考ができるから、他の内臓を統率して体をコントロールしています。

それゆえ、不安や心配などがあると、その明晰さが失われてしまうのですね。

だったら思い切って起きてしまった方がいい、そう判断して起きてしまいました。

「無理やり寝ようとして迎えた翌日」と、「思い切って起きて迎えた翌日」と、前者の方は実際にはわかりませんが、ゴールが変わってくると思いませんか?

このゴールの違いは、気の持ちよう、つまり「心」の精神活動の違いでもあります。

結果を感じられるから自信が持てるようになる

暑くて眠れないのは当然の体の反応です。

だから一先ずオッケーなのです。

それに対して、不安になったり心配したりというのは、「自分にストレスを与えてる」とも言える状況です。

こう考えると、なんだか少し馬鹿らしく思える。

世の中の意見に合わせ過ぎると、こうなってしまうのです。

一見、無理やりでも寝たほうが体を労っているようにも思えますが、それは自分の体の反応を無視していることになるわけです。

自信がないから世の中の意見に合わせてしまうのですが、無視し続けていると、反応はどんどん大きくなる=悪化します。

これって精神的にも身体的にも健康的ではない。だから、

世の中の意見を一番にするより、まず、自分の体がどう反応しているかを一番に考える。

というのを私は意識しています。

なぜなら、自分の体の反応がわからないと何をしても、それこそ体にとって良いことをしても、それが実際にいい結果が出ているかどうかがわからないからです。

体の反応に、良いも悪いもはなく、ただ結果を返しているだけなので、感じることが大切です。

元気だとか、心地よいとか、もしくは、やっぱり疲れが取れていない、眠い、肌の調子も悪い、でもいいのです。

まずは感じるだけ、今の体の状態を知るだけでいいのです。

「体の声を聴く」と言うと捉えどころがなくて難しく聞こえますが、簡単に言うと、「体の反応を見る」ということです。

そうすれば無駄な努力をし続けることもなくなり、いい結果(反応)を見られるようになります。