我慢を強いられイライラをため込む太もも

「悲しみを受け止めるほうれい線」というブログを書きました。

このブログを書いてから、体の見方というか…、見え方というか…、が変わったような気がします。

「悲しい」という感情は内面で起きていることですが、「その悲しい状態はもれなく体の外側にも現れる」、ということをはっきりと認識しました。

私は「顔と態度に出るから分かりやすい」と人から言われますが、これから言おうとしているのは、そういうことではありません。

自分の感情が、健康状態もですが、体の形や顔の形を変える(体の外に現れる)ということ。

社会生活において人は、演じたり装ったりしなければならないことが多いですし、見栄を張ることだってあります。

本当は嬉しくないのに、喜んでいるフリをするとか。

全然大丈夫じゃないのに「大丈夫です」と言ったり。

言葉や態度で隠すことはできても、体自体はそうはいかなくて、装っているフリも体に現れてしまう。

体って、そこまで正直だったのかと感心したのです。

浮腫みの本質的な原因を探っていく

モンテセラピーを定期的に受けられている方が、カウンセリングの時にこうおっしゃいました。

「最近、浮腫みがひどいです。とくに太ももが浮腫んでいます」

浮腫みの直接的な原因は「余分な水分(老廃物)」です。

通常、余分な水分は膀胱にためられ、排泄されます。

浮腫みは、この水分代謝がうまく行かないことで起こります。

水分は重さがあるので、重力の影響を受けて末端にたまりやすい。

だから浮腫みを感じるのは、体の末端が多いです。

下半身なら膝下、上半身なら手や顔。

なので、「下半身全体が浮腫む」または「膝下が特に浮腫む」というのなら分かるけど、「太ももが異常に浮腫む」というのはどういうことかな?と、詳しくお話を伺うことにしました。

浮腫みは食生活がダイレクトに影響するので、今の生活状況も含めてお聞きしましたが、その中で、

「今はやることがいっぱいあって、時間に追われている感じ」

とおっしゃった事に引っ掛かりました。

なぜ太ももが太くなったのか

確かに、お体を拝見した時、太ももの状態が以前とは違いました。

太ももに老廃物がたまっているように浮腫んで見えるし、さらにお尻から下にかけて横に張り出すように広がっていました。

もともと横に広がりやすい体形をされていましたが、モンテセラピーの1クールはかなり前に終わっていて、その歪みは整っていました。

それが、今回は3か月ほど間が空いたのですが、最初の頃とはまた違う歪み方をしていました。

こちら(↓)の経絡図をご覧ください。

「五行学説」でいうと、今の季節である「春」は「木」に属します。

「五臓」ですと「肝」が活発になり、「情志(感情)」は「怒」です。

経絡図にある「肝経」と「胆経」というのは、春に活動的になる「肝」と「胆」にとって必要な気血が流れている経絡の場所です。

下半身の側面に「胆経」があります。

ちょうどその部分が歪んで、下半身が横広がりになっていました。

足には他の経絡もありますが、肝経・胆経の歪みは「横に張り出す」のが特徴です。

なぜ「張り出す」かというと、気が滞っているからです。

つまり、気がたまって風船のように経絡が膨らむ=経絡が張っている状態なのです。

「やることがたくさんあって、時間に追われている」と感じている時というのは、少しでも思い通りにいかないとイラっとしますよね。

「やらなきゃいけないことがたくさんある」と思っていたら、自分がやりたいことを我慢することも多くなります。

例えばその状況で、何か頼まれごとをされたらどうでしょう。

「やることいっぱいあるのに!」とか「自分は我慢しているのに!」と激しい怒りが出てくるでしょう。

体は誤魔化せない

中医学では、『肝は条達を喜び、抑鬱をきらい、疏泄という機能があり、昇発という木の特性がある』と、肝の特徴を言っています。

肝の疏泄という機能は、「気を滞りなく、スムーズに流す」ということです。

その結果、他の臓腑も元気に活動することができて健康を維持することができるのですが、肝がある影響を受けると気を流せなくなることがあります。

その影響というのは、肝がきらう抑鬱、つまり「ストレス」です。

私には、その状況が太ももに如実に現れているように見えたのです。

確かに太ももだけでなく、下半身全体が浮腫んでいました。

胆経は足の指先まであるので、膝下も横に張り出すように歪むとは思うのですが、それ以上に、まるで太ももが自己主張しているように、膝下とは違う浮腫み方をしていました。

雰囲気的にはそれほどストレスを抱えているようには見えませんでしたが、発散できないストレスを太ももが一手に引き受けているように見て取れました。

もしかしたらご本人もそこまで認識していないかもしれませんが、体にはこういうふうに形になって現れるのです。

さて、ストレスにより気が滞ると、老廃物も滞留します。

それで浮腫みが起きます。

この方の太ももが浮腫んでいる原因は「気の滞り」で、さらに根本原因は「ストレス」です。

今までの私の経験や知識では、「太ももだけに異常に浮腫む」というのは、すぐには考えが及びませんでした。

ですが、今までとは違った見え方ができるようになったため、根本原因までの全てが美しいくらいに繋がって見えました。

さてさて、後日この方から「モンテセラピーの翌朝はスッキリ目覚めました!」とメールをくださいました。

この「スッキリ」というのは、「気の流れが良くなった」という体内の状態を現れであり、気分的にもスッキリします。

体内の状態は、気分にも反映されます。

体が変われば、気分も変わります。

心と体の一致が、そのままバランスの良い体形として現れる。

それが本当の美しさだと思いました。