美と健康のコツ→春の食養生で冬の体を切り替えて夏への準備
ウドを酢味噌和えにしました。
デトックスしてくれそうな独特な香りと苦み、歯応えも美味しい。
こんなに美味しく感じるのは久しぶりだからか……。
それとも体が欲しているのか……。
敵(邪)の性質を知る
ウドは薬膳では「キョ湿類」で、体内の水液代謝を調節し、余分な水分を取り除く食材です。
余分な水分がたまっていると、これから湿度が高くなりますので、体がきつくなります。
代表的な症状は
- むくみ
- 頭痛
- 体の重だるさ
- めまい
- 下痢
- 胃腸の調子が悪くなる
など。
体内にたまった余分な水分のことを「湿(内湿)」と言いますが、湿は胃腸の調子が悪くなるのと、重さを感じる症状が出るのが特徴です。
ですから頭痛も「重く沈むような痛み」だったり、むくんで歩くときに足が重く感じたりします。
また、湿があると気血の流れを阻害します。
こうなると、頭を締め付けられるような痛みになり、薬をのみたくなるほどの激痛になります。
この湿がどこに多くあるかで、痛みなど症状が出る場所が変わります。
さらに湿は、ねっとりと粘り気があり停滞しやすい性質です。
だから体の外に出にくく、症状を長引かせたり再発を繰り返すことがあります。
例えばニキビは再発を繰り返すことが多くて、その中でもとくに「黄ニキビ」はしつこいですよね。
これも「内湿」が一番の原因で、湿の性質がそのまま黄ニキビに反映されてます。
ですから、内湿がなくなるとこのタイプのニキビはできなくなります。
そして、くすみが取れたり、キメが細かくなったりと肌自体も健康になります。
もちろん体も軽くなりますし、重だるさが取れてやる気が出たり、足のむくみが取れて意外と自分は足が細かったのだと自覚することもあります。
大自然と共生しているという思想「天人合一」から学ぶ
これからは雨が多くなり、湿度が高い気候になります。
外の湿度が高い状態は行き過ぎると「外邪」となって体に侵入してきます。
ジメジメと不快に感じたら、それは湿の外邪です。
このときに体内に余分な水分(内湿)があると、外邪とくっついて増強します。
冬の間の体は、寒さをしのぐためにエネルギーを使うのでため込みやすくなっていて、ダイエットには向かない季節でした。
ですが、ため込んだまま使われなかった栄養はそのままだと老廃物になるので、春の旬野菜はウドのようにデトックス作用がある食材が多いです。
そして、これからの梅雨の季節を心地よく過ごすために、今のうちから内湿を取り除く。
これが食養生のコツであり、健康を維持するコツでもあります。
見た目、感情、感覚は一致している
ウドなどのキョ湿類は、余分な水分(湿)を尿にして出す利尿作用があります。
他にはこれから旬を迎えるサクランボや、キュウリやスイカなどの夏野菜にも多いです。
ウドはキョ湿類の中でも「キョ風除湿止痛」で、経絡や筋肉、骨に入った湿邪と風邪(ふうじゃ)を取り除くので、頭痛や関節痛に良い食材です。
そういえば、ウドの皮をむいた瞬間、独特なとても良い香りがしました。
そのとき「うわ~いい香り~」と、一気に気分が変わりました。
良い香りは気の流れを促進します。
気の流れが良くなると、このように良い気分になります。
「気の流れ」と「気分」は連動しているのです。
モンテセラピーは経絡を整えることで気の流れが良くなりますが、モンテセラピーを受けられた後にみなさん表情が明るくなります。
「明るい気分」「元気を感じる」「伸びやかな気分」「爽やか」「気が軽くなった」「スッキリした気分」という体の感覚や感情は、気の流れが良くなったことの証です。
このように体内の健康状態は、身体感覚や感情を伴い、顔つきや肌色、体形など体の外側に反映されるので根本原因を読み取ることができ、精神的な負担もわかります。