肌のために加湿器は使わない

冬の間使っていた加湿空気清浄機をしまいました。

暖かくなって窓を開けられるようになり、サーキュレーターも洗ってしまいました。

よく、「湿度が高いほうがお肌にいいから」と高めにしている方が見受けられますが、私は無理です。

なぜなら、湿度が高いと体が重だるくなるから。

眠くなるし、やる気が出なくなるし、むくみやすくなるし、体の心地よさ、清々しさ、健やかさを感じられなくなるから。

例え根拠がないとしても、こういう体の感覚は、私はとても大事にしています。

でもこれ、ちゃんと根拠があります。

根本から解決したい

よっぽど肌が乾燥しているなら、その場しのぎで湿度を高めにするのも有りです。

ですが、そもそも肌が乾燥するのはなぜ?

という根本的なところは何かというと、

それは、肌の機能が低下している状態です。

で、もっと言うと、肌の機能が低下している状態なら、体の健康状態も低下しているはずです。

体もそうですが、肌の健康を維持するために必要な栄養は、毎日の食事で賄われます。

食べたものは胃腸で消化吸収されますが、湿度が高くなると胃腸(脾)の働きが低下します。

黄色の行の「五臓」「五腑」は「脾」「胃」です。

中医学で言う「脾」は、全ての消化機能に関わるものとして捉えられていて、分かりやすく言うと「胃腸」のことを指します。

で、この表には書いてありませんが、五主(つかさどる場所)は「肌肉」で、肌のことを指します。

そして「五季」は「梅雨」とあります。

分かりやすく「梅雨」と表記されていますが、正確には「長夏」で、湿度の高い梅雨時のことを指します。

胃腸の健康には、「湿度」と「肌」にも深く関わっているのですね。

美肌を維持するのに不可欠な内臓

「脾は湿を好む」ので、梅雨時は胃腸の働きが盛んになります。

ですが、雨が続いて外の湿度が高くなると体内の湿度も高くなり過ぎて、今度は弱ってしまうのです。

ということで、梅雨時のジメジメとした気候はむしろ脾が弱り、消化吸収にも影響が出るのです。

肌が新陳代謝を行うのに必要なエネルギー源である食べ物を消化吸収する「脾」ですから、ここが弱くなると肌にダイレクトに影響が出ます。

肌が乾燥しているからと湿度を高めにしていると、湿気に誤魔化されていつまでたっても乾燥肌から脱却できません。

肌以外には、重だるさやむくみ、やる気が出ない、便秘や下痢をしやすい、各部位に痛みが出る、などなどいろいろな症状が現れます。

ニキビができやすい肌質の場合は、「黄ニキビ」ができやすくなります。

湿度は水分です。

これから気温が高くなりますので、過剰な湿度が「熱」や「暑」とくっついて皮膚に現れるのが黄ニキビなのです。

大人ニキビは、「オイリー」「ドライ」に関係なくできます。

私も元々は過剰な皮脂が原因で主にTゾーンに赤ニキビや黄ニキビが出ていましたが、大人になってからはUゾーンにニキビが出るようになりました。

つまり大人ニキビは、過剰な皮脂が一番の原因ではない、ということが分かります。

肌が乾燥しやすいのも、年齢や環境、スキンケアのせいだけではない。

脾(胃腸)が弱ると、肌質によって乾燥しやすくなるか、ニキビができやすくなるか違ってきます。

それはスキンケア製品で整えられますので、体質改善と一緒に取り組むと良くて、それが肌質改善です。

今はカラッとした過ごしやすい良い季節です。

でももう少ししたら、北海道でも梅雨のようなジメジメとした気候になります。

私の場合は、胃が痛いとか食べられないとか分かりやすい症状はなく、胃腸が弱いという認識はありませんでしたが、今まで出ていた症状を見ると、胃腸が弱りやすいのは明解。

そして現代は、胃腸に負担をかける食生活になりやすい。

というわけで「未病先防」。

体内の湿度が過剰にならないように、室内もカラッとした状態を保つようにしています。