根本原因を解消して、ニキビを繰り返さない

20代の「ニキビができやすいのが悩み」というお客様で、肌質改善フェイシャルとスキンケアの見直しとで数カ月が経ち、お肌が変わりました。

肌が生まれ変わったような以前とは違う肌のコンディションで、お化粧ノリも良くなったのが見てすぐわかり、化粧映えしていて雰囲気も違って見えました。

まさに肌質改善と言える状態。

ですが、先日来店されたときに「鼻の下に大きな黄ニキビができてしまいガッカリ」と、マスクを取って見せて下さいました。

体の外側に現れる症状で内側がわかる

「甘いもの食べましたか?」と質問すると、「はい」とのご返事。

「甘いものを食べるとニキビができやすくなる」というのは、周知の事実です。

だから、我慢すればいいと思いがちですが、我慢してもきっとニキビはできます。

なぜなら、これだけでは根本原因がわからないままだから。

「甘いものでニキビができた」という事実だけで、その根本原因が解決されていないので、この先もずっと甘いものを我慢し続けないといけなくなります。

もしくは、甘いものを食べるたびに罪悪感がわいてきたり、食べたいと思っただけで不快な気分になったりする。

そんなの嫌じゃないですか。

「甘いものを無性に欲する」

「食欲のコントロールができない」

そして「黄ニキビ」という「黄色」の症状が出る(他には黄くすみもあります)

というのは中医学で言う『脾』、つまり『胃腸』が弱っているからです。

そのことをお伝えしたら、「実は健康診断があって、検査したら逆流性食道炎で胃炎を起こしていると診断された」とおっしゃいました。

黄ニキビの根本原因は過剰な皮脂分泌ではなかった

肌も含めて体は、今の健康状態を外側に出します。

五行色体表の黄色の部分を見ると、五味が「甘」になっていますが、脾と胃は甘味と関係があります。

そして「黄色」も脾・胃の色とされています。

つまり黄ニキビは、「胃腸の機能が低下している」という体内の健康状態を表しているのです。

例えば、例えば、うっかり値札が付いたまま服を着て出掛けてしまい、待ち合わせしたお友達に「値札が付いてるよ」と教えてもらった。

その時は「恥ずかしい!」と思うかもしれませんが、教えてもらったほうが絶対に良いですよね。

すぐに値札を取れば、そのあとは楽しく過ごせるわけですから。

体も同じ。「今のあなた(健康状態)はこういう状態ですよ」と教えているだけ。

そして今までやってきたことや、やっていることに対して、「こうなりました」と反応を返しているのです。

今の体にとって良いことなら心地よい反応→「体が軽い」「清々しい」「肌に透明感がある」「血色が良い」というような元気を感じる反応が返ってきますし、

今の体に合わないことなら、「痛み」「だるさ」「具合が悪い」「肌のくすみ」「すっきりしない」というような不快を感じたり見える形で現れます。

自分の手を思いっきり叩いたときに、痛いと感じたり赤くなったり腫れたりするのと同じことなのです。

だからガッカリした後には、今までの生活の中にニキビを生んでしまう原因がありますから、それを見つければいいのです。

さて、現状は胃炎の方が重いそうですが、その元は逆流性食道炎から来てる、とおっしゃっていました。

胃の気の流れは本来下向きで、その流れによって食べたものを下へ下ろします。

逆流性食道炎は、その胃気が上へ上がってきているということで、「気逆(気の上逆)」という気の流れが乱れている状態です。

黄ニキビは炎症もしていますから、余分な熱が体内にこもっている、またはそれが胃に入って「胃熱」になっている可能性が高いです。

この「気の上逆」と「胃熱」を引き起こしているのが黄ニキビの根本原因なのです。

これが引き金で甘いものを欲させていますから、この状態で我慢するのは精神的にかなりつらいと思います。

根本原因の先に大本があった!

そのようなわけで、お客様がお話されたのが「仕事のストレス」でした。

休みが取りにくく、勤務時間が不規則。

お仕事の内容も、緊張を強いられるような仕事で、ホッとする時間も取れない。

肉体的にも精神的にもかなりの負担が体を通して現れている、私にはそう読み取れました。

さて、ストレスは気をスムーズに全身へ流す『肝』の機能を低下させます。

つまり、ストレスを受けると気の流れが滞ります。

気は体を温める働きがあり温かいので、滞った部分で次第に熱化します。

それが胃に入ると胃熱になります。

そして、肝が気をスムーズに流すから脾・胃の気の流れも整う、という肝のサポートも受けています。

ですので、肝の機能低下が胃気の気の乱れにつながるのです。

このように肝と脾は連動性が高くて、本来(=健康)であればすべての臓腑は協力し合う関係ですが、そうでなくなると中医学では「相克(そうこく)」という「肝が脾を攻撃する関係」になります。

ここでわかったのは、根本のさらにその先の「ストレス」という大本でした。

ですから、まずは脾・胃(胃腸)の元気を取り戻すことが先決。

そして今のストレスを何とか少しでも和らげる、もしくはうまく避ける方法があるといいですよね。

肌質改善とは本来の肌を取り戻すこと

話は変わりますが、私は日本茶が好きでよく煎茶を淹れて飲んでいるのですが、

この方はペットボトルのお茶をよく飲まれているそうなので、次はアフターティーに煎茶を淹れて差し上げようかと考えております。

煎茶(緑茶)には「清熱」と言って、体内の異常な熱を取り去る働きがあります。

炎症している黄ニキビの熱を取ってくれますし、黄ニキビの原因である体内にたまった痰(老廃物)も取ってくれるデトックス食材でもあります。

さらに香りが良くイライラを落ち着かせ、ストレス緩和にもうってつけ。

体内の潤いも増やすので、肌にももちろん良いです。

低温でじっくり淹れればカフェインを抑えられますし、旨みや甘みもしっかり出るので甘いものを食べたくなっても抑えられやすい。

ニキビに限らず、体の内側のお手入れをすると、肌は本来の姿を取り戻します。

それは最上級の状態です。

きっと今までの感覚や考え方が変わると思います。

それくらい肌(体)には力があります。